当店とうふ工房「卯の花」は日本のとうふ界の第一人者、農文協社「豆腐」の著者でも有名な仁藤斉氏の指導を受けて2002年10月、バンコクで開業したものです。氏の薫陶を受けた日本国内外の「弟子」は数知れず。今ではパリ、L A、バンクーバーにまで一門の橋は広がっています。数は作れないがコクのある甘いおとうふ作りは誰もが認めるところ。仁藤氏はとうふ作りの技術もさることながら、何より「心」、作る人の熱意の大切さを継いでいます。とうふ作りは一釜一釜その日の条件によって微妙に違い、奥が深くて飽きることなどありません。そして日本の伝統製法をタイ人らの弟子に伝えることは、意義のあることと考えています。今、静かにタイ人の顧客が増えています。ホーン(香りがいい)、ワーン(甘い)、と一様に喜んで下さる笑顔に励まされます。

房主もすでに禄寿を超えました。今、タイ人とミャンマー人にとうふづくりを教えている日々です。やがて彼らが「卯の花」を継いだり独立したりする日を夢見てとうふ漬けの日々を楽しんでいます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　卯の花　店主　敬白